産地
 黄麻(ジュート)は、熱帯あるいは亜熱帯で栽培され、豊富な太陽エネルギーを効果的に蓄積し、100日内外で収穫に至ります。主産地はインド及びバングラデシュで、バングラデシュ大使館のプロフィールの中では、ジュートは“黄金の糸”と紹介されています。
 高温多湿の気候で湿潤の土壌で、かつ、水浸醗酵によって繊維採取をするため、水があることが栽培の条件です。
 2〜5月頃に種をまき、大体4ヶ月ぐらいで2〜3m位まで成長し、6〜9月頃刈り取りを行います。刈り取り時期によって繊維の質が次のように変わります。


黄麻(ジュート)畑

花が咲き始めたとき・・・繊維が非常に繊細で強力は弱くなります。
花が落ちるとき・・・・・繊維が繊細で強力も強く一番良い時期です。
実が熟したとき・・・・・繊維は粗剛です。

 刈り取った生茎を1〜2週間位、水に漬け発酵(浸水醗酵)をさせ、手で1本ずつ剥離します。この靱皮部が黄麻(ジュート)の原料で、さらに水洗いして不純物を除きます。乾燥させて精選繊維とし、品質(強力、繊維長、色沢、根部の有無、外観、その他)によって格付けされます。優良品は白色で光沢があり、普通品は黄褐色の色をしています。

  
黄麻の歴史

 黄麻(ジュート)の原産地は、中国南部とも言われていますが、黄麻工業の源流はインドであり、英国人がカルカッタで本格的な工場を作った1854年より遥か以前に手紡・手織の方法でベンガル地方に普及していたことが知られています。その後、近代工業として発達したのはスコットランド人の業績に負うところが多く、ヘシアンという用語も彼らによって作られ、ダンディーがその中心地として活況を呈した時代もありましたが、黄麻工業の基盤は、あくまでも、生産地をもつ東洋であります。

 

黄麻の特徴

 黄麻(ジュート)は、インド麻・カルカッタヘンプ・いちび・綱麻(つなそ)ともいい、しなのき(田麻)科に属します。学名はCorchorus Capsularis, L.といい、球状果実、長い円筒型果実の2種類の一年生草本の茎からとった靱皮繊維であり、資源は無尽蔵にあるといえるし、何よりも次のように地球環境にやさしく、地球温暖化抑制に寄与します。

○自然生態系の枠内で短期間に再生産されます。
○ジュート繊維となる工程中に発生する大量の廃棄物(水分を含めれば95%)は、産地土壌に還元されて自然環境系に組み込まれます。
○ジュートは、光合成が旺盛な植物で、二酸化炭素(CO2)の吸収力が普通の木と比べて5〜6倍あり、地球温暖化を抑制する働きがあります。
○ジュート製品は、焼却処分しても有害な物質を出さず、土中に埋めてもバクテリアによって完全分解され、土に帰るので環境を汚染しません。

 

黄麻の用途

■ジュート繊維からは、次のような環境保全適合品、都市型防災品が作られています」
●導火線
 ジュート繊維のもつ毛羽は、火薬の抱合性に優れ、黒色火薬を均一に包み込むことができます。
●畳表糸
 畳表のたて糸用として使用されているジュート糸は、伸度が少ないため、優良な畳表を製造することができます。
●自動稲刈り機の結束用ひも
 伸びる度合いが小さく結束性に優れています。稲刈り後、放置しても土中で醗酵し、バクテリアによって完全に分解されるので無公害であり、また、粉砕して肥料にすることもできます。
●カーペット基布
 1945年アメリカのテネシー州で生まれ、今では世界のカーペットの生産量の74%を占めているタフテッドカーペット裏地の基布として使用され、ボリュームがあり、保温性と寸法の安定性に優れています。
●バッグ
 日本ではまだあまり見かけませんが、焼却処分しても有害な物質は一切出ない等環境に大変優しく、しかも強くて丈夫なので、世界各国ではショッピングバッグとして広く利用されています。また、穀物や砂糖を入れるジュートバッグとしても使用されています。
●都市型防災品
 「トピックス」を見てください。

■新しい用途開発
 現在新しい用途も開発途上ですが、紙パルプの代替として壁紙用特殊紙、崖などの崩落防止用としての植生網(均一化した植生が可能)、緑化資材として植木の根の包装材(根まきテープ)、樹木を保護する幹まきテープ、樹木を痛めない麻なわなどがあり、主要な用途になっています。 また、米袋に使用されたジュートバッグ(「ドンゴロス」ともいいます)は、さらに雑草防止用、ベッドの緩衝材などに再利用され、そのまま土地に帰すことができます。まさに「大地に生まれ 使用後は回帰する」天然素材で、最近ではその「自然」に近い色合いが好まれ、インテリア・婦人用のカジュアルシューズなどにも使用されています。

●●国際ジュート機関の事業
 日本では1986年以来、途上国の産業発展のため、ジュート製品の市場振興を行ってきました。
 開発途上国が根本的に貧困から抜け出るためには、自らの力で自国の経済発展を促すことのできる底力を蓄積させることがきわめて重要であると考えられます。 このためには、途上国がこれまで発展させてきた自国の産業を自助努力によって更に発展させることが理想的であります。 また先進国がこうした途上国の自助努力に対し、最新知識と合理的設備を段階的に供与するような援助の在り方が望まれます。
 したがって、先進国は、途上国が自らの手で開発を進めているプロジェクトに対し、資金または技術協力をすることによって、「急がば回れ方式」で着実な成果があげられます。このような考えから、日本は、政府開発援助(ODA)の一環として、これまで国際ジュート機関が実施する事業に対し、積極的に支援を行ってきましたが、その効果は一般に考えられる以上に大きく、今後も引き続きこうした貢献を行うことが期待されています。


刈取直前のジュート

 

 

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